Netflixより

「地面師たち」を一気見した

このブログは自分の記憶が当てにならない(当てにならなくなってきた)から、日記まではいかないけど、日々観たり触れたりしたものを感想とともに残しておく。という自分の記憶のアーカイブのために書いている。なかなか腰が重く、、、なかなか観てすぐ、、、という形になってないので、スラスラ書けるようになるのが今年の目標としている。(それでも、もう半年経った)
かなーり前のことになってしまったのだが、Netflixオリジナルドラマ「地面師たち」を観た。
「タイトルとビジュアルに惹かれて面白そうだからちょっと観てみよう」という動機で観始めたが、まんまと一晩で一気見してしまったのであった。
※以下一部ネタバレも含まれています。

とくかく惹き込まれるリアリティ

ジャンル的にはサスペンスになるのだが、こういったこの先どうなるんだろうドキドキ系のジャンルはかなり好きな方である。
それも、2017年に起きた、積水ハウス事件という実話を元にしているということもあり、その犯行の手口や犯行の進め方などが、リアル過ぎてついつい惹き込まれてしまった。逆にこの平和と呼ばれる日本に、こんな人たちが居るのかというのも衝撃だった。

配役が至高。特にハリソン山中役の豊川悦司が秀逸過ぎる。

配役は「最高過ぎる」というのが感想。全員がハマり役である。
綾野剛演じる辻本拓海も、一見真面目なサラリーマンだが、交渉役として演技も良いしハマり役。
ピエール瀧も元司法書士で法律に詳しく、様々な不動産系資格を持っている。法律の知識を活かして理論的に買い主との交渉をしていくのかと思いきや、「もう良いでしょう」を連発し、関西弁を超高圧的にまくし立てるような役柄。こんな人本当に居そう。
小池栄子も地主などのキャスティングをする役目で、身寄りのない曰く付きの老人を囲ってビジネスするという面白い目の付け所。
刑事役のリリー・フランキーも、デベロッパーの山本耕史も、本当に存在しているかの配役で、ストーリーに吸い込まれた。特に地面師集団のリーダーであるハリソン山中役の豊川悦司は、「この人以外のキャスティングはあるのか」と思えるような存在感で、この物語の一番の魅力なんじゃないかと感じた。他の方々の感想は見ていないで書いているが、大方そういう感想の人が多いんじゃないかと思っている。そのくらいのインパクトだ。

ハリソン山中の魅力

「最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます。」これは作品中にハリソン山中が発した最も印象に残るセリフ。

ハリソン山中という人間は、言葉のボキャブラリーが多い語学堪能タイプではあるが、多くは語らず常に冷静沈着で、誰に対しても基本的には紳士的に振る舞う。またお酒や料理などの嗜好も深く、察するに、作中には描かれてはいないが、もっと様々なカルチャーにも造詣が深いのではと感じさせるようなインテリジェンスを持つ。
すでにその時点で非常にキャラクターとして魅力はプンプンに漂っているが、地面師としてのスタンス「完璧な仕事をこなす」プロフェッショナルでもある。
一方で、冒頭のセリフにも現れているように、異常とも呼べる猟奇的な一面も持ち合わせる。特に残酷でグロテスクな場面が作中に多くがあるがほぼハリソン山中が関わっているといっても過言ではない。
これだけインテリジェンスでプロフェッショナルにも関わらず、そこに彼の軸足は全くなく、哲学もなく、それを凌駕するほどの、単に暴力や人が破滅する様子を見ることに快楽を覚えるサイコパスであるということが一番の魅力なのである。
また、最後に一人だけ逃亡し姿を眩ませて終わる、という。まだハリソン山中の物語は続くのか、もっと見たいと思わせるオシャレな終わり方で、読後感も良かった。
(ってみんな同じような感想を書いているのが目に浮かぶ)

原作も見てみたい

原作がある、ということで、実際にこのNetflix Originalの「地面師たち」と原作はどのくらい忠実に再現しているのか、はたまた乖離してしまっている?というところに興味が湧いている。原作も取り敢えず購入して「積読」候補にしていこうと思う。

地面師たち ファイナル・ベッツ [ 新庄 耕 ]
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